[ 展覧会ステートメント ]
私達は保冷車を大型ピンホールカメラに改造し、ラージフォーマットでの作品制作を行っています。
616mm×756mmの作品は49枚のポラロイドから成り立っています。
『高画素化する写真の世界の中で、なぜあえてポラロイドを用いて撮影を行うのか』

現代の写真の評価軸の中に「美しい」という価値観があると思います。
この美しいというセンテンスが持つ意味は多様で、一概に高画素、高画質を指すものではないでしょう。しかし多くの写真を必要とする場所において、写真の高画素化は年々加速している。
ギガピクセルイメージがもつ1億画素を超えるようなビジュアルや、4Kの美麗さは人々を圧倒しうるものです。
同時に高画素を追い求めてもそこに本物が映し出されるわけではないことも、皆感覚的に知っていると思います。
かつて写真が生まれた時、それは現実の輪郭をなぞるように曖昧なものでした。
次第に進化して行く写真機に人々は魂を抜かれることを恐れ、その前に立つことを恐れ始めました。

科学が多くのことを解決する前夜、超自然的なモノに信仰や怪異を持っていた人にとって
写真機が見せるイメージはそれほど強烈でした。

稚拙なイメージであっても魂を抜くほどの恐怖を感じることはできるのに
高画質なイメージの中に本質や、魂の欠落を感じる。
この相反する感覚の正体を探りたいと考えています。

主催 稲葉知洋
1+1-2≠0
(Polaroid49枚による構成 756mm×616mm)
ORIFICE
(Polaroid49枚による構成 756mm×616mm)

ORIFICEの経過記録

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