porriMが制作した軽トラック型ピンホールカメラ
通称”Pinhole Kuruma”
カメラの先祖であるカメラ・オブスクラについての解説と
着想の原点についてのページです。
カメラの語源は “ カメラオブスクラ(camera obscura)”で、暗い部屋という意味です。
雨戸に開いた節穴から入った光が部屋の壁や障子に屋外の景色を映す。
そんな話を聞いたことはありますか?
節穴に限らず小さな穴の開いた壁と暗くなる部屋があれば、
この現象を観察することができます。
雨戸に開いた節穴から入った光が部屋の壁や障子に屋外の景色を映す。
そんな話を聞いたことはありますか?
節穴に限らず小さな穴の開いた壁と暗くなる部屋があれば、
この現象を観察することができます。
これが「ピンホールカメラ」です。
洋の東西を問わずかなり古い記述にも「ピンホールカメラ」は散見されます。
”壁に小さな穴の開いた暗い部屋” これを小さくしたものが「ピンホールカメラ」です。
洋の東西を問わずかなり古い記述にも「ピンホールカメラ」は散見されます。
”壁に小さな穴の開いた暗い部屋” これを小さくしたものが「ピンホールカメラ」です。
針穴で像が映るピンホールカメラは、光が直進する性質を利用したカメラです。
私たちはモノそのものを見ているのではなく、発光したモノや、反射した光を見ています。
下の図をご覧下さい。対象物が発した、あるいは反射した光はさまざまな方向に進みます。
私たちはモノそのものを見ているのではなく、発光したモノや、反射した光を見ています。
下の図をご覧下さい。対象物が発した、あるいは反射した光はさまざまな方向に進みます。
その内、針穴を通った光だけが、穴の開いた壁と反対の壁を照らします。
上の方からきた光は壁の下の方を、下の方からきた光は壁の上の方の壁を照らします。
これは光が直進する性質をもっているためです。
このように物体から発した、あるいは反射した光は針穴を通り
壁の対角線上の位置を照らします。
そのため、「ピンホールカメラ」は上下左右が逆に映ります。
上の方からきた光は壁の下の方を、下の方からきた光は壁の上の方の壁を照らします。
これは光が直進する性質をもっているためです。
このように物体から発した、あるいは反射した光は針穴を通り
壁の対角線上の位置を照らします。
そのため、「ピンホールカメラ」は上下左右が逆に映ります。
2017年末、2019年の6月の締め切りを目指して、porriMの活動は開始しました。
個人の制作物を通じて、お互いの作品の中に似通った部分を見つけてはいたものの
本質的にモノクロ作家である私と、
カラー作家である岩根の写真をどう織り交ぜて1つの作品にしていくのか。
まだ具体的なアイデアは何も有りませんでした。
個人の制作物を通じて、お互いの作品の中に似通った部分を見つけてはいたものの
本質的にモノクロ作家である私と、
カラー作家である岩根の写真をどう織り交ぜて1つの作品にしていくのか。
まだ具体的なアイデアは何も有りませんでした。
”二人の写真を使って1つの作品を作るという経験がまず必要”
この共通認識のもとに、1冊の本を作ることになります。
製作期間は7日。
アイデア、撮影、現像、印刷全て含めて7日でどこまでできるのか。
製作期間は7日。
アイデア、撮影、現像、印刷全て含めて7日でどこまでできるのか。
自作のチープなものではありますが、madoという本を作ることが出来ました。
最初はこの本をナンバリングして増やしていきながら、共通のテーマを探そう。
それが私たちの計画でした。
それが私たちの計画でした。
madoの中に入っているスプーンの写真。
この写真の撮影は私たちのその後を決定づける重要な出来事になりました。
この写真の撮影は私たちのその後を決定づける重要な出来事になりました。
4月11日、絵コンテ通りに撮影を終え現像のために海から博多駅へ戻る道中
対向車線を走ってくる1台のキャンピングカーに目を奪われました。
対向車線を走ってくる1台のキャンピングカーに目を奪われました。
”キャンピングカーって部屋だよな”
”じゃあカメラ・オブスクラにもなるよな”
madoのブックが完成する頃、既に私たちの思考は本の出来や7日間の達成感よりも
降って湧いた巨大なアイデアに支配されていました。
車はカメラにできるのか。
翌週、プラスチックダンボールで大きなピンホールカメラを制作し成功。
5月末 走るカメラ・オブスクラのベースになる軽トラックが納車されました。
ここから具体的な改造が始まります。
ここから具体的な改造が始まります。
適切なF値の算出、フランジバックはどれくらいが良いのか
すべてが手探りの中で
”撮れるはず”という勘だけを頼りに制作を進めました。
すべてが手探りの中で
”撮れるはず”という勘だけを頼りに制作を進めました。
・内部からどうやったら完暗をキープしたまま撮影の準備ができるのか?
・ピントを確認するためにはどうしたら良いか?
・ピントを確認するためにはどうしたら良いか?
普段のカメラでは考えたこともないような出来て当たり前を私たちの手で
作っていくことになりました。
作っていくことになりました。
試行錯誤の末、なんとか像を結ぶ事ができる様になったカメラで
試写を重ねるうちに、このカメラが持っている特性に気が付き始めます。
試写を重ねるうちに、このカメラが持っている特性に気が付き始めます。
”通常の写真と違い撮影が完了した時点で大きな画像を得ることができる”
改めて文章にすると当然と思う方も多いかもしれませんが
普段24mm×36mmのフィルムを引き伸ばしてプリントしてきた私たちに
とって、写真の何が面白いのかを再認識させてくれました。
普段24mm×36mmのフィルムを引き伸ばしてプリントしてきた私たちに
とって、写真の何が面白いのかを再認識させてくれました。
それと同時に、根本的な問題が出てきました。
試写段階でテストしていた印画紙でネガを作る方法ではポジ像を得るために
複写を必要とします。
試写段階でテストしていた印画紙でネガを作る方法ではポジ像を得るために
複写を必要とします。
これでは撮影サイズが大きいというメリットを活かしきれない。
そこで直接ポジティブ像を撮影が可能なPolaroidを使う案が浮かびました。
印画紙9枚(609mm×762mm)を用いた試写
印画紙ではなく、Polaroidフィルムを使うということは
当然複数枚を使用して大きな1枚を作るということになります。
最初は1枚の写真が格子状に分断されるということに抵抗がありましたが、
それ自体がこの作品のもう1つのテーマである
当然複数枚を使用して大きな1枚を作るということになります。
最初は1枚の写真が格子状に分断されるということに抵抗がありましたが、
それ自体がこの作品のもう1つのテーマである
・写真は鑑賞者の思考が介在したとき、真に完成する。
ということをビジュアル化する結果になりました。
49枚のフィルムの縁が描く格子模様は、たしかに1枚の写真から多くの面積を
覆い隠しています。
しかしながら、その隠れた部分になにがあったのか。
それを鑑賞者がそれぞれの経験や思考によって補完することによって
1つの絵を脳内に作り出す。
覆い隠しています。
しかしながら、その隠れた部分になにがあったのか。
それを鑑賞者がそれぞれの経験や思考によって補完することによって
1つの絵を脳内に作り出す。
この発見は私たちが今までに撮ってきた写真の全てに関しても
鑑賞者が見たいものを写真の中に描いているということを教えてくれました。
鑑賞者が見たいものを写真の中に描いているということを教えてくれました。
(Polaroid49枚による試写 756mm×616mm)